「窓の防犯対策をしたいけれど、何を付ければいいのか分からない」と迷っていませんか。
窓の防犯対策には、補助錠、防犯フィルム、防犯ガラス、面格子、シャッター、窓そのものの交換など複数の方法があります。
さらに、断熱目的で使われることが多い内窓もあるため、「内窓を付ければ防犯対策にもなるの?」と迷う人もいるでしょう。
結論からいうと、窓の防犯対策は一つの商品だけで決めるのではなく、「どの窓が狙われやすいか」「ガラス破りと解錠のどちらを対策したいか」「窓自体をリフォームする必要があるか」を確認して選ぶことが重要です。
特に最初に確認したいのは施錠です。鍵をかけていない窓があれば、高価な防犯設備を追加する前に、まず確実に施錠する習慣をつくる必要があります。
そのうえで、侵入に時間をかけさせるために補助錠や防犯ガラスなどを組み合わせていきます。
この記事では、窓の防犯対策として何を選べばよいのか、補助錠・防犯フィルム・防犯ガラス・内窓・外窓交換などの違いと選び方を順番に解説します。
窓の防犯対策をする前に確認したいこと
防犯対策というと、すぐに防犯ガラスや新しい窓へ交換することを考えるかもしれません。
しかし、すべての窓へ同じ対策をする必要があるとは限りません。
まず自宅の窓を確認し、どの窓から優先して対策するべきかを整理します。
鍵をかけ忘れている窓がないか
最初に確認したいのは、窓を確実に施錠しているかです。
警察庁の「住まいる防犯110番」でも、住宅への侵入では無締りによる被害が多く発生しているとして、出入口や窓を確実に施錠するよう案内しています。
特に、
- ゴミ出しだけだから
- 近所へ少し出るだけだから
- 2階だから大丈夫だろう
- 人が入れないほど小さな窓だから
と考えて、窓を開けたまま外出するのは避けましょう。
高性能な防犯設備を追加する前に、まず「外出時と就寝時に窓を施錠する」ことが基本です。
外から近づきやすい窓がないか
次に、家の外から窓を確認します。
同じ住宅の窓でも、侵入されやすさは設置場所によって異なります。
たとえば、
- 道路から見えにくい窓
- 塀や植木で隠れている窓
- 庭や建物の裏側にある窓
- ベランダに面した窓
- 物置や室外機などを足場にして近づける窓
などは、一度防犯面を確認しておきたい場所です。
「1階だけ対策すればよい」と決めるのではなく、2階でもベランダや足場になるものがある場合は確認します。
窓ガラスを破られた後の解錠も考える
窓の防犯対策では、ガラスだけを見るのではなく、窓を開けるまでの流れを考えることが重要です。
窓ガラスの一部を破り、そこから手や器具を入れてクレセントなどを操作されることがあります。
そのため、対策を考えるときは、
- ガラスを破りにくくする
- 破られても簡単に解錠されにくくする
- 窓そのものを開けにくくする
という複数の視点から考えます。
「ガラスだけ」「鍵だけ」ではなく、侵入までの手順全体を考えることがポイントです。
窓の防犯対策は何を選ぶ?主な方法を比較

窓の防犯対策には、費用を抑えて始めやすいものから、窓そのものをリフォームする方法まであります。
代表的な対策を整理すると次のようになります。
| 対策 | 主な目的 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 補助錠 | 窓の解錠対策を追加する | まず手軽に対策を増やしたい |
| 防犯フィルム | ガラス破りへの抵抗を高める | 既存ガラスを活用したい |
| 防犯ガラス | ガラス破りへの抵抗を高める | ガラス自体の防犯性能を高めたい |
| 面格子 | 窓への侵入を妨げる | 小窓などを対策したい |
| シャッター・雨戸 | 窓の外側から防御する | 掃き出し窓などを対策したい |
| 内窓 | 窓を二重にする | 断熱・防音なども含めて検討したい |
| 外窓交換 | 窓そのものを見直す | 古い窓の性能をまとめて改善したい |
ここで重要なのは、内窓と防犯ガラスでは主な目的が違うという点です。
それぞれを詳しく見ていきます。
補助錠|手軽に追加しやすい防犯対策
補助錠は、現在の窓のクレセントなどとは別に、もう一つ施錠箇所を追加する方法です。
警察庁もガラス破り対策の一つとして補助錠を挙げています。
補助錠を追加すると、ガラスの一部を破られたとしても、一か所を操作するだけでは窓を開けられない状態をつくれます。
比較的始めやすいため、
- まず低コストで対策を増やしたい
- 賃貸などで大きな工事ができない
- 現在の窓を交換する予定がない
といった場合に検討しやすい方法です。
ただし、補助錠を付けただけで窓全体の防犯対策が完成するわけではありません。
窓の位置やガラスなども含めて考えます。
防犯フィルム|現在のガラスを利用して対策する
防犯フィルムは、既存の窓ガラスへフィルムを施工し、ガラス破りへの抵抗を高める方法です。
既存ガラスをそのまま利用できるため、防犯ガラスへの交換より工事範囲を抑えたい場合に比較できます。
ただし、「防犯フィルム」という名称だけで選ぶのではなく、製品の性能や施工方法まで確認することが大切です。
窓ガラスの種類によって施工可否が変わる場合もあるため、施工する場合はガラスとの適合も確認します。
また、DIY用フィルムと防犯性能を確認された製品を同じものとして考えないよう注意しましょう。
防犯ガラス|ガラス自体の防犯性能を高める
ガラス破りへの対策を重視するなら、防犯ガラスも選択肢になります。
防犯ガラスには、一般的に複数枚のガラスの間へ中間膜を挟んだ合わせガラスなどが使われます。
ガラスが割れても中間膜によって貫通しにくくし、侵入に時間をかけさせることを目的とします。
ただし、ここでも「防犯ガラスにすれば絶対に侵入されない」と考えてはいけません。
窓枠、錠、施工状態など窓全体を確認する必要があります。
防犯性能を重視して製品を選ぶ場合は、後述するCPマークも判断材料になります。
面格子|トイレや浴室などの小窓でも検討する
トイレ、浴室、洗面所などの小窓では面格子を設置している住宅があります。
小さい窓だから侵入できないと思っていても、窓の大きさや位置によっては対策が必要です。
面格子を選ぶ場合も、単に格子が付いていればよいのではなく、格子自体の強度や取り付け方法を確認します。
また、外から簡単に外せるような状態になっていないかも確認してください。
シャッター・雨戸|窓の外側から対策する
掃き出し窓などでは、シャッターや雨戸も防犯対策の候補になります。
ガラスの外側へ物理的な障害を追加できるのが特徴です。
すでに雨戸がある住宅では、雨戸だけ閉めて室内側の窓を施錠しないのではなく、窓側も施錠します。
また、シャッターや雨戸を設置していても、日常的に使用しなければ対策として十分に活かせません。
設置するだけでなく、外出時や就寝時にどう使用するかまで考える必要があります。
内窓は防犯対策になる?防犯ガラスとの違いを理解する
窓リフォームを検討している人が迷いやすいのが、「内窓を付ければ防犯対策にもなるのか」という点です。
内窓は、現在の外窓の室内側へもう一つ窓を設置する工法です。
そのため窓が二重になり、外側の窓だけでは室内まで到達できない構造になります。
ただし、内窓の主な目的と、防犯ガラスの目的は同じではありません。
内窓は主に断熱・防音などを目的として検討する
内窓は、既存の外窓との間に空間をつくり、窓の断熱性能や防音性能などを高める目的で使われることが多い工法です。
窓が二重になること自体は侵入する側にとって障害が増える要素になりますが、「内窓だから防犯ガラスと同じ性能がある」と考えるのは適切ではありません。
防犯を最優先するのであれば、使用するガラスや錠、窓全体の防犯性能を確認する必要があります。
寒さや騒音にも困っているなら内窓を比較する意味がある
一方で、防犯だけでなく、
- 冬の窓際が寒い
- 結露にも困っている
- 道路や電車の音が気になる
といった問題がある場合は、内窓を比較する意味があります。
防犯対策だけを単独で考えるのではなく、窓で抱えている複数の問題を整理し、そのうえで工法を決めます。
内窓とガラス交換の違いについては、「内窓とガラス交換どっちを選ぶ?違いと判断基準を徹底比較」で詳しく解説しています。
防犯を重視するなら使用するガラスや錠まで確認する
内窓を設置する場合でも、防犯性能を重視するのであれば「内窓を付ける」という工法名だけで判断しないようにします。
どのようなガラスを使用するのか、錠はどのような仕様なのかなどを施工業者へ確認してください。
工法の名前ではなく、実際に使用する製品の性能を確認することが重要です。
窓の防犯性能を重視するならCPマークも確認する

防犯ガラスやサッシなどを選ぶときに知っておきたいのがCPマークです。
CPマークは、警察庁・国土交通省・経済産業省と民間団体による官民合同会議で定められた「防犯性能の高い建物部品」に使用される共通標章です。
所定の防犯性能試験を経て「防犯性能の高い建物部品目録」に掲載された製品に表示されます。
対象にはガラスだけでなく、サッシ、錠、シャッターなど複数の建物部品があります。
CPマーク=絶対に侵入されないという意味ではない
ここは誤解しないようにしましょう。
CPマークは「絶対に破られない」「侵入を完全に防げる」という保証ではありません。
一定の試験基準に基づき、防犯性能が確認された建物部品を選ぶための判断材料です。
そのため、防犯性能を重視する窓リフォームでは、
- CPマーク対象製品か
- どの部分が防犯建物部品なのか
- ガラスだけなのか窓全体なのか
- どのような施工になるのか
を施工業者へ確認するとよいでしょう。
窓リフォームまで必要か判断する5つのポイント
窓の防犯対策を考えると、「補助錠を付けるだけで十分なのか」「防犯ガラスへ交換した方がよいのか」「窓そのものをリフォームした方がよいのか」と迷うことがあります。
ここで大切なのは、最初から高額な工事を選ぶことではありません。
現在の窓が正常に使えるのであれば、施錠の徹底や補助錠などから対策できる場合があります。一方、窓そのものが古くなっていたり、防犯以外にも寒さや開閉不良など複数の問題があったりする場合は、窓リフォームまで比較した方がよいこともあります。
「防犯性能を高めたい」という目的と「現在の窓を今後も使い続けられるか」という2つを分けて考えると判断しやすくなります。
次の5項目を順番に確認してください。
1|現在の窓を確実に閉めて施錠できるか
最初に確認するのは、防犯用品ではなく現在の窓そのものです。
窓を閉めたときに最後まできちんと閉まり、クレセントなどを正常に操作できるか確認してください。
たとえば、
- 窓を閉めても少し隙間が残る
- クレセントがかかりにくい
- 窓を閉めるときに強く押す必要がある
- サッシが大きくガタつく
- 窓が途中で引っかかる
- 鍵や部品が破損している
といった状態なら、防犯ガラスや補助錠を追加する前に窓の状態を確認する必要があります。
窓の調整や部品交換で改善できる場合もあるため、こうした症状があるからといって必ず窓交換が必要になるわけではありません。
一方、サッシ自体の変形や劣化が大きく、正常な開閉や施錠が難しいのであれば、部分的な防犯用品を追加するだけでなく、修理や外窓交換まで含めて比較します。
「鍵を増やす前に、現在の窓を正常に施錠できる状態にする」ことが最初の判断ポイントです。
2|外から近づきやすく、人目につきにくい窓ではないか
すべての窓を同じ優先順位でリフォームする必要はありません。
まず確認したいのは、外から窓までどのように近づけるかです。
たとえば1階にある窓でも、道路や隣家からよく見える場所と、建物の裏側で人目につきにくい場所では状況が異なります。
特に、
- 高い塀や植木で外から見えにくい
- 建物の裏側にある
- 隣家との間に狭い通路がある
- 庭から簡単に近づける
- ベランダへ上がる足場になるものがある
- カーポートや物置などから上階へ近づける
といった場所は確認しておきましょう。
反対に、植木などを整理して窓周辺の見通しを改善するだけでも、防犯環境の見直しにつながります。
窓の防犯対策は「窓の商品性能」だけで考えるのではなく、侵入しようとする人が窓へ近づきやすい環境になっていないかまで含めて考える必要があります。
3|ガラス破りへの対策をどこまで強化したいか
現在の窓が正常に使えていても、ガラス破りへの対策を強化したい場合があります。
この場合は、補助錠だけではなく、防犯フィルムや防犯ガラスなども比較します。
ただし、「ガラスを強くすれば防犯対策は終わり」と考えないことが重要です。
ガラスの一部を破られた後にクレセントを操作されることも考え、防犯ガラスなどによるガラス側の対策と、補助錠などによる解錠側の対策を組み合わせて考えます。
警察庁もガラス破りへの対策として、補助錠、防犯フィルム、防犯ガラス、面格子、窓シャッターなど複数の方法を案内しています。
防犯ガラスへ交換する場合は、現在のサッシへ対応できるか、ガラスだけの交換で目的を満たせるかも確認します。
サッシがまだ十分使用でき、防犯以外に大きな不満がないのであれば、窓全体を交換せずガラスや錠を中心に対策できる可能性があります。
逆にサッシ自体にも問題があるなら、ガラスだけを新しくするより窓全体のリフォームを比較した方がよい場合があります。
4|窓自体が古く、防犯以外にも不具合が出ていないか
窓リフォームまで検討するかを判断するときは、窓の年数だけではなく現在の状態を確認します。
古い窓でも正常に開閉・施錠できているのであれば、「古い」という理由だけで交換する必要はありません。
一方で、防犯対策を考え始めた窓に、
- 開閉が重い
- 窓がガタつく
- 鍵がかかりにくい
- 隙間風が入る
- 冬になると非常に寒い
- 結露がひどい
- サッシや部品の劣化が目立つ
といった問題も出ているのであれば、部分的な防犯用品だけでなく窓全体を見直すタイミングかもしれません。
たとえば、古いアルミサッシの窓に補助錠を追加しても、寒さや開閉不良は解決しません。
防犯ガラスだけへ交換しても、古いアルミサッシ自体の状態はそのまま残ります。
このように複数の問題が重なっている場合は、「防犯用品を後付けする費用」と「窓をリフォームして複数の問題をまとめて改善する場合」を比較すると判断しやすくなります。
古いアルミサッシの寒さについては、「古いアルミサッシが寒い原因は?効果的な対策と窓リフォームの選び方」で詳しく解説しています。
5|防犯以外の悩みも同時に解決したいか
窓リフォームには費用がかかるため、防犯性能だけを見て工事を決めるのではなく、その窓に対する不満を一度すべて整理します。
たとえば、
- 冬になると窓際が寒い
- 夏は西日で部屋が暑い
- 冬の結露がひどい
- 道路や電車の騒音が気になる
- 家の音が外へ漏れるのが気になる
- 窓の開閉が重い
- 鍵がかかりにくい
- 古い窓の見た目も変えたい
などです。
防犯だけが悩みで、現在の窓に問題がないのであれば、補助錠、防犯フィルム、防犯ガラスなど部分的な対策から比較できます。
一方で、防犯に加えて寒さ・暑さ・騒音・開閉不良など複数の問題があるなら、内窓や外窓交換など窓リフォームも比較対象になります。
ただし、内窓・ガラス交換・外窓交換では改善できる内容が異なります。
「防犯対策をしたいから窓交換」と最初から決めるのではなく、今後その窓を何年使うのか、何を同時に改善したいのかまで考えて工法を選ぶことが大切です。
工事方法の違いについては、「内窓と外窓交換どっちを選ぶ?費用・効果と判断基準を徹底比較」も参考にしてください。
窓の防犯対策で失敗しないための注意点

窓の防犯対策で避けたいのは、「防犯○○という商品を付けたから、これで安心」と一つの設備だけに頼ってしまうことです。
窓からの侵入を考える場合は、施錠、ガラス、錠、サッシ、窓の位置、周囲からの見通しなど複数の要素があります。
警察庁も、住宅のガラス破りへの対策として補助錠、防犯フィルム、防犯ガラス、面格子、窓シャッターなど複数の方法を示しています。
つまり、一つの商品を選ぶのではなく、自宅の弱い部分に必要な対策を組み合わせるという考え方が基本です。
ここでは、実際に対策を選ぶときに間違えやすいポイントを確認します。
防犯ガラスと強化ガラスを同じものだと思わない
「強化ガラス」という名称を見ると、「普通のガラスより強いなら防犯にも向いているのでは?」と思うかもしれません。
しかし、ガラスは名称だけで防犯性能を判断しないことが重要です。
防犯目的で使用される防犯合わせガラスなどは、ガラスを破って開口部をつくる行為に抵抗することを目的とした製品があります。
一方、「強化ガラス」という名称だけを理由に、防犯ガラスと同じものだと判断するのは避けましょう。
防犯を目的としてガラスを交換するのであれば、施工業者へ、
- このガラスは防犯を目的とした製品なのか
- どのような構造になっているのか
- CPマーク対象製品なのか
- 現在のサッシへ施工できるのか
などを確認してください。
商品名の「強い」「防犯」といったイメージではなく、確認された性能と使用目的を見て選ぶことが重要です。
クレセントだけに頼らず補助錠も比較する
引き違い窓などに付いているクレセントをきちんとかけることは基本です。
ただし、防犯性能をさらに高めたい場合は、クレセントだけでなく補助錠などを組み合わせる方法を比較します。
ガラスの一部を破られた場合、手や器具を入れてクレセントを操作される可能性を考える必要があるためです。
補助錠を追加すれば、クレセントを操作されても、もう一つの施錠箇所を解除しなければ窓を開けられない状態をつくれます。
警察庁もガラス破り対策として補助錠の設置を案内しています。
ただし、補助錠なら何でも同じではありません。
窓の形状や取り付け位置によって使用できる製品が異なるため、取り付け後に窓が正常に開閉できるか、製品の説明どおりに施工できるかを確認します。
「クレセント+補助錠」「ガラス側の対策+錠側の対策」のように複数の障害をつくるという考え方で選びましょう。
2階だから安全だと決めつけない
「2階の窓なら地面から離れているから、防犯対策は必要ない」と考えるのは避けましょう。
警察庁も、2階の窓について1階と同様の防犯対策を講じるよう案内しています。
実際の住宅では、
- ベランダ
- カーポートの屋根
- 物置
- 室外機
- 塀
- 建物の凹凸
など、上階へ近づくきっかけになるものが周囲にある場合があります。
そのため「何階にある窓か」だけを見るのではなく、家の外から実際に窓までの経路を確認します。
2階のベランダにある掃き出し窓も、外出時や就寝時にはきちんと施錠し、必要に応じて補助錠やガラスなどの対策を検討してください。
窓の周囲を隠しすぎない
プライバシーを守るため、高い塀や植木で住宅を外から見えにくくしている家庭もあります。
しかし、防犯では「外から見えないこと」が必ずしもメリットになるとは限りません。
窓の周囲が植木などで完全に隠れていると、侵入しようとする人が窓の近くへ来ても、道路や隣家から見えにくくなる場合があります。
警察庁も住宅の防犯対策として、窓周辺などの見通しを良くすることを案内しています。
庭木が大きく育って窓を完全に隠していないか、物置などで死角ができていないかを確認しましょう。
防犯ガラスなどへ交換する前に、植木の剪定や家の周囲の整理によって改善できる部分がないか確認することも大切です。
窓そのものを強くする「設備対策」と、侵入しにくい環境をつくる「周辺対策」を一緒に考えるのがポイントです。
「防犯」という言葉だけで商品を選ばない
ホームセンターやインターネットでは、「防犯フィルム」「防犯ロック」「防犯窓」などさまざまな名称の商品があります。
しかし、「防犯」と書いてあることだけを理由に、すべて同じ性能だと考えないようにしましょう。
本格的な対策をする場合は、
- どのような侵入方法への対策なのか
- どのような性能が確認されているのか
- 現在の窓へ適切に取り付けられるのか
- 施工方法に条件がないか
- CPマーク対象製品なのか
などを確認します。
警察庁が案内する防犯建物部品についても、製品が指定する施工条件に従って適切に施工された場合に、本来の防犯性能を発揮するとされています。
つまり、性能の高い製品を購入しても、取り付け方法が適切でなければ想定された性能を十分に発揮できない可能性があります。
窓リフォーム業者へ相談する場合は、「窓を新しくしたい」だけでなく、「防犯性能を重視したいので、防犯性能を確認できる製品を比較したい」と伝えてください。
防犯フィルムは貼れば何でも同じだと思わない
既存のガラスを利用しながら防犯対策をしたい場合、防犯フィルムは比較しやすい方法の一つです。
ただし、市販されているフィルムにはさまざまな製品があるため、「透明な厚いフィルムならどれでも同じ」と考えないようにします。
防犯性能を重視するのであれば、製品の性能だけでなく、施工条件や現在のガラスとの適合を確認してください。
特に既存ガラスの種類によっては、フィルムの選択や施工について確認が必要になる場合があります。
自分で施工する場合も、商品の説明を確認し、対象となるガラスや施工方法を守ることが重要です。
本格的な防犯性能を求める場合は、防犯ガラスへの交換と比較したうえで、どちらが自宅の窓に適しているか判断しましょう。
防犯性能だけで窓リフォームの工法を決めない
防犯対策をきっかけに窓リフォームを検討する場合でも、防犯性能だけで工法を決めるのは避けましょう。
たとえば内窓を設置すると窓が二重になりますが、内窓は断熱や防音などを目的として選ばれることが多い工法です。
防犯を最優先するなら、単に「窓が二重になるから安心」と考えるのではなく、使用するガラスや錠の仕様まで確認します。
反対に、防犯ガラスへ交換しても、古いサッシの開閉不良や寒さなど別の問題がすべて解決するとは限りません。
そのため、
- 防犯をどこまで強化したいか
- 寒さや暑さも改善したいか
- 騒音にも困っているか
- 現在のサッシを今後も使用したいか
- 窓を開ける頻度は高いか
を整理してから工法を比較します。
複数の問題を同時に改善したい場合は、「内窓とガラス交換どっちを選ぶ?違いと判断基準を徹底比較」も参考にしてください。
マンションでは窓やサッシを勝手に変更しない
マンションで窓の防犯リフォームを考えている場合は、戸建て住宅とは別の注意が必要です。
国土交通省のマンション管理・再生ポータルサイトでは、マンション標準管理規約において、窓枠や窓ガラスなどは共用部分のうち特定の区分所有者が使用する「専用使用権」の対象として想定されると説明されています。
ただし、実際にどの部分が共用部分・専有部分として扱われるか、どのような工事が認められるかはマンションごとに異なります。
そのため、
- 防犯ガラスへ交換したい
- 外窓そのものを交換したい
- 面格子を取り付けたい
- シャッターを追加したい
といった工事を考えている場合は、業者へ発注する前に管理規約を確認してください。
必要に応じて管理会社や管理組合へ、工事の可否や申請手続きを確認します。
特に建物の外観が変わる工事や共用部分へ影響する工事は、自分の住戸だからといって自由に変更できるとは限りません。
内窓は既存の外窓より室内側へ設置する工法ですが、それでも施工条件や管理規約の確認を先にしておくと安心です。
マンションでは「商品を決める→工事を申し込む」ではなく、「管理規約を確認する→必要なら管理組合等へ確認する→施工可能な方法を比較する」という順番で進めましょう。
国土交通省「マンション管理・再生ポータルサイト」専用使用権について
まとめ|窓の防犯対策は一つではなく組み合わせて考える
窓の防犯対策には、補助錠、防犯フィルム、防犯ガラス、面格子、シャッター、内窓、外窓交換など複数の方法があります。
大切なのは、高価な設備から導入することではありません。
まず、
- すべての窓を確実に施錠する
- 外から近づきやすい窓を確認する
- ガラス破りへの対策が必要か確認する
- 補助錠など追加できる対策を比較する
- 窓自体が古い場合はリフォームも比較する
という順番で考えると整理しやすくなります。
防犯ガラスはガラス破りへの抵抗を高めたい場合、補助錠は解錠までの障害を増やしたい場合に比較できます。
内窓は主に断熱・防音などを目的とする工法なので、「内窓を付ければ防犯対策はすべて完了」と考えず、使用するガラスや錠まで確認することが重要です。
また、窓自体が古く、防犯だけでなく寒さ・結露・騒音などにも困っているなら、部分的な防犯用品だけでなく窓リフォームまで比較してみましょう。
内窓とガラス交換で迷う場合は、「内窓とガラス交換どっちを選ぶ?違いと判断基準を徹底比較」を確認してください。
外窓そのものの交換まで検討する場合は、「内窓と外窓交換どっちを選ぶ?費用・効果と判断基準を徹底比較」で違いを解説しています。
費用を確認したい場合は、「窓リフォームの費用はいくら?内窓・ガラス・窓交換の相場比較」を参考にしてください。
窓リフォームを実際に相談する段階になったら、「窓リフォームはどこに頼む?依頼先の違いと業者選びの判断基準」で依頼先の違いを確認できます。
